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(出典:京都銀行、採用情報 
https://www.kyotobank.co.jp/saiyou/index.html


【はじめに・目次】


『企業徹底分析』のカテゴリーでは、各企業の説明会や文献等で得られた情報を分析し、就活生の企業分析等に活かせるような情報の提供を行っております。


今回は『京都銀行の説明会(2020卒対象)』で得られた情報を分析しています。


①京都銀行の強み

②メガバンクとの違い

③京都銀行の経営課題とは何か?

④経営課題の対応策は?

⑤まとめ

【①京都銀行の強み】


京都銀行の強みは、銀行業界でもトップクラスの「株式含み益」による安定した財務基盤だ。


この場合の「株式含み益」とは、銀行が他企業に出資する目的で株式を購入し、その株価が出資時よりも上昇している(今、その株を売れば利益になる状態)という状態のこと。


具体的には、京都銀行は、かの有名な「任天堂」や「京セラ」がまだベンチャー企業だった頃に株式の購入という形で出資し、それを現在まで保有しているのだ。当然、今やどちらも誰もが知るような大企業になっており、株価もベンチャー企業だった頃とは比べ物にならないくらい上昇している。

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(出典:楽天証券、iSPEED


これに裏付けされた安定した財務基盤によって、近年の地方銀行の経営統合などの波に飲まれることなく、独力での成長を達成しているのだ。



【②メガバンクとの違い】


ここまでで財務が優れていることは理解できた。

では、メガバンクと京都銀行にはどの様な違いがあるのか。メガバンクの方が、全国、そして世界規模でサービスを提供しており、安定した顧客基盤を持っているだろう。


これに対しての京都銀行の答えは「広域型地方銀行」という言葉で表される。

京都銀行は、京都を中心に、滋賀、大阪、奈良、兵庫、そして愛知に積極的に出店し、営業エリアを拡大している。

店舗数は京都を中心に174ヵ店となっており、これはメガバンクと比べても非常に多い。

つまり、特定の地域に多数の店舗を構えているということは、その地域にあるメガバンクの支店数よりもはるかに多い店舗数を京都銀行は持っていることになる。


《具体的な数値比較》

◯京都府内の店舗数(ATMのみ等も含む)

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スクリーンショット 2019-04-12 0.21.44

(出典:三菱東京UFJ銀行、https://map.bk.mufg.jp/b/bk_mufg/attr/26/
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(出典:京都銀行、https://sasp.mapion.co.jp/m/kyotobank/35.01778694_135.7584278_150000/


それに伴い、京都をはじめ関西で活動する企業等の地域的な情報がたくさん京都銀行に集まってくる。京都で活動する企業にとっては、京都銀行の方がメガバンクよりも、より地域に根ざした情報を持っており、深いサービスを受けられるというわけだ。


また、他の地方銀行であれば、例えば地銀Aと地銀Bが経営統合し、互いの営業エリアが加わることで規模を拡大させるという事はあるようだが、京都銀行の場合は、上でも述べた財務基盤によって、独力で規模を拡大させている。



【③京都銀行の経営課題とは何か?】


ここまで見て来た様に、京都銀行は現在進行形で成長している企業だと言えるだろう。

では、京都銀行にとっての「経営課題」とは何か。


それは、「独力で成長しているが故に、経験豊富で専門性の高い行員が少ない」という事だ。

「独力で成長しているが故の」とはどういう事か。


それは、上でも少し触れたが、他の地方銀行は経営統合を通じて規模を拡大する事が多い。

つまり、ただ単に地銀Aと地銀Bが合併し互いの営業エリアを吸収するだけでなく、互いの企業の「人材」も引き継がれるのだ。なので、地銀Aの人材構成(新人~ベテラン)と地銀Bの人材構成(新人~ベテラン)を基本的にはそのまま活用できる。


一方で京都銀行の場合は、新たに規模を拡大しようとする時は、自社で人材を用意する必要があり、それを新卒採用の拡大で賄っているのである。つまり、規模を拡大すればするほど、ベテランの比率が低くなり、経験の少ない人材の構成比率が増えるというわけだ。


では、経験の少ない行員が多いことがなぜ課題なのか。

それは、例えば法人の顧客に営業に行った時に、競合他社は経験のある行員が営業を担当しているのに、京都銀行の行員は経験が少なく、競合の営業よりも質が劣ってしまうという様な状況が頻発する可能性があるからだ。

このように、経験の乏しい行員の比率が他社よりも多くなる事は、重要な経営課題になり得る。



【④経営課題の対応策は?】


当然、京都銀行もこの課題をただ傍観しているわけではない。

京都銀行は2010年に『金融大学校』という企業内学校を設立し、行員は日常業務のサポートだけでなく、専門性を高めたり多様な能力を開発したいという行員向けの講座を受講することができる。


その他にも、『新入行員研修』『新入行員フォローアップ研修』『新入行員ファイナル研修』といった、新入行員向けの充実した研修制度を整備し、また、2年目以降の行員にも主任・支店長といった階層別の研修や、業務別の研修など、様々なサポートを用意することで若い行員の知識・経験不足を補おうとしている。


ただ、実際にこの「研修」を中心とした解決策で、現場での実践経験の差をどれほど埋めることができているのかといった定量的な指標は説明会の段階では分からなかった。



【⑤まとめ】


ここまで京都銀行の強みや今後の経営課題について述べてきた。

企業経営において、「人事」は今後の企業の発展や課題解決に重大な影響を及ぼすと私は考えている。


京都銀行の場合、人事が「京都銀行の課題」をちゃんと把握した上で採用活動を行なっており、また課題に対する解決策も合理的であるため、きちんと企業として課題に向き合い、解決していく姿勢を感じた。

銀行業界に興味を持っている就活生は検討する価値は十分あるだろうと私は思う。